読了

最初のほうは非常によかった。絶対音感保持者に特有の現象の紹介、絶対音感の作られ方の研究など、今の絶対音感に対する見解などを幅広く知ることができた。絶対音感をアカデミックに書いているところがよい。
しかし、最後のほうは五嶋節氏が語るみどり・龍のかなりな馬鹿話に終始していてがっかり。この親子は絶対音感がステータスだとでも考えているのだろうか。厳しく音程の教育をしたら、絶対音感が身につくことぐらいあたりまえであるし、それに伴う苦痛などは回避の方法を知ればどうってことはなくいられる。また、みどりが440ヘルツのAで育ってきたから442ヘルツのAが気持ち悪くて演奏できなかったというくだりは、正直言って馬鹿じゃないかと思った。絶対音感に頼りすぎた感がある。
私は、「絶対音感と音楽性とはまったく別物だ」という前提の下この本を購入し、絶対音感に対する研究の世界について知りたかった。が、少々期待はずれの感。